Thursday, October 19, 2017

米国内部留保課税

今日、急に日本企業複数社から、10年以上、もしかしたら20年以上(?)に亘り誰からも質問を受けた記憶のない米国の「法人内部留保金課税」にかかわる質問が相次いだ。なぜこんな目立たない税法が急に息を吹き返したように話題になっているのか一瞬面食らったけど、小池代表の希望の党が内部留保課税を衆院選の公約に掲げたり、メディアが「米国ではすでにそのような課税が存在する・・」という感じで報道したことを受けての反応だったようだ。で、後からその報道を見たけどチョッと誤解を招くような感じもあった。というのは読み方によっては、米国法人は税引後利益の未配当部分に恒常的に20%課税されているように取れるからだ。実際は違ってこのような課税はかなり稀なケースに限定されている。

報道の通り、確かに米国にも「Accumulated Earnings Tax(「AET」)」という内部留保課税制度は一応存在はする。その趣旨は、法人が合理的な事業ニーズを超えて留保金を持ち続け、「個人」株主側の配当課税を不当に繰り延べていると判断されるケースに限り、法人に20%の実質ペナルティーを課すというものだ。ただ、単に法人に大きな留保金があるということだけで課税されるような簡単なものではなく、法人が株主の課税を回避するという意図を持って過剰な留保をしているというIRSにとっても面倒な認定をしないと適用はない。制度的にはこの認定をIRSが行った場合には、納税者側が反証に回るというものだ。すなわち、申告書で納税者が計算するタイプの税金やペナルティーではなく、税務調査で初めて争点となるものだ。

AETの趣旨はあくまでも「個人」株主が配当に対する所得税支払いを先送りするために法人を利用している状況に網を掛けるというもので、AET算定は会計上の、特に全世界グループの連結財務諸表上の税引前利益とか留保金とは一切関係ない。あくまで米国内の課税所得に一定調整して税金を引いて(結果としてE&Pに近い数字となる)更に配当、合理的な事業ニーズ、$250Kという生涯免税枠を差し引いた額が基準となる。

1986年の税法改正以降、特に2000年代前半のブッシュ減税で配当に対する税率がキャピタルゲイン同様に低減してからはそもそも配当課税を先送りするインセンティブが相対的に大きく低下している。1986年の税法改正前は法人税率と比較して個人所得税率がかなり高かった時代もあり、法人を組成して個人株主側の課税を避けようという動きもあったかもしれないが、それも今は昔。また家族経営的な曲面では1990年代からはS法人、法的なパートナーシップに加え、LLCというパススルー課税選択可能な法人ハイブリッドが主なので、わざわざ法人(=Corporation)形態を利用して配当課税を節約しようというコンセプトそのものが時代にそぐわないと言える。結果としてAETの適用はかなり稀だろう。

そのせいかどうか分からないけど、IRSの「税務調査マニュアル(Internal Revenue Manual)」のAETに対する部分は2000年に取り下げられ、その後、それが復活している形跡はない。

ただ、一点面白い展開としては米国税法改正が本当にUnified Framework通りに可決されると法人税は20%、個人所得税は最高35%(場合によってはもう一つ高いSuper Bracketもあり得る)となる。そうなると潜在的に法人をシェルターのように使用するインセンティブが復活してくるかもしれない。ただ個人事業主、パススルーが25%になるのであれば無理して法人を組成する理由もないだろう。このことからも法人税率を20%にする場合にはパススルーの事業所得に対しても何らかの減税がないとおかしな結果となり得ることが分かる。

で、このAETだけど、単に個人株主というだけでなく、株主が「米国個人所得税」の対象となるケースのみに適用があり得る。例えば日本企業の米国現地子会社、米国内の法人所有の子会社、などは制度的に対象外となる。1984年の税法改正でAETは株主の人数に関係なく適用があるとなったころから上場企業でも個人株主に関しては理論的には対象になるということだけど、上場企業のBoardは受託者義務に基づく企業統治をしっかりしていると思われることから、不要な資産を留保しているという認定に至る、または過剰な留保金を持っていても法人がそのために存在するというような認定を受けることはまずあり得ないだろう。今日の上場企業には必ずと言っていい程アクティビスト株主(「物言う株主」って訳すんだっけ?)がいるから余剰の現金なんか持っていたら直ぐに自己株式をBuybackしろとかなるし。結果としてAETの適用はあったとしても相当露骨に配当課税を回避している同族企業のような局面となるはずだ。実際にその昔「Technalysis Corp」という判例があり、上場企業という理由だけではAET回避はできないが、結局法人が課税繰り延べのために資産を内部留保しているとは言えないという結果が出ている。

日本の論調は留保金を有効活用させるためにペナルティー課税を導入というように報道されているけど、米国のAETにそんな意図は一切ない。あくまでも個人株主の課税繰り延べと言う節税プランに網を掛ける意味しかなく、企業が他の目的でどのような配当性向を持っていようとそんなことをいちいち連邦政府から口を出される筋合いはない。税法以外は僕の専門ではないけど、普通に考えれば企業統治が健全に機能していて、効率のいいキャピタルマーケットが存在する環境であれば、企業およびマーケットが各Stakeholder、利害関係者にとってベストな配当性向を決定するはずだろう。各企業の内部戦略は千差万別なんだから部外者から配当性向を指示されたり、一律ガイドラインが出たりする方向は変だ。制度設計を再検討するのであれば企業統治やキャピタルマーケットの効率性をより高める環境作りに注力して、後は民間に任せるのがベストなんじゃないかな、と思ってしまいました。

Sunday, October 15, 2017

米国税法改正大綱 「Unified Framework」(5)

前回は米国税法改正大綱とも言える「Unified Framework」の法人税および事業所得に対する課税について、特にR&Dクレジット、製造者控除のような特殊恩典と課税ベース拡大、そして最後に法人の二重課税軽減と上院のCorporate Integrationプランに関して触れた。今回はクロスボーダー関係。

元々The Blueprintが2016年夏に公表され、その後選挙で両院プラス大統領府を共和党が制した後も、米国税法改正が最終的に一体全体どのような形のものとなるかという点に関しては多くの不明点があったが、現状の全世界課税からテリトリアル課税制度に移行することは間違いないと考えられていた。

で、予想通り、Unified Frameworkでも米国のテリトリアル課税制度への移行が明記されている。The Blueprintでもそうだったように、海外子会社からの配当は100%非課税としている。これはCamp案とかの従来の提案が日本同様に95%非課税としていたのと対照的だ。なぜ5%とか課税する案が多いかと言えば、親会社レベルでの金利負担に代表される海外子会社投資のCarrying Costを紐付きで損金不算入扱いしない代わりに、配当5%部分に課税してみなしでCarrying Costを損金不算入したっような効果を得ようとするからだ。Unified Frameworkでは100%非課税としているだけで特にこの点への言及はなく、Carrying Costを損金不算入するような特別な規定が入る話しはない。損金不算入はないと考えるべきか、それとも既存のSection 265を改訂して少なくとも利息の一部損金不算入となるのか、今後の注目。

非課税となる配当はCFCからのものばかりでなく、10%以上の持分を持つ投資先からのものも対象となる。現状の間接外国税額控除も10%持分が基準だけど、その場合は議決権で判断するので今回も議決権ベースかもね。

そして米国のテリトリアル化の際に避けて通れないのが制度移行時の一括課税。国境調整に基づく消費地課税が取り下げられた今、めぼしい財源と言えばこれしか残っていない。米国多国籍企業は現状の税法ではとても海外で稼いだお金を米国に持って来れず、多額の埋蔵金を海外に留保しているのはみんなも知っての通り。

以前「トランプ大統領税法改正プラン(5)」で書いたけど、アップルに至ってはナンと2,500億ドル(円ではない)の現預金相当を持っており、その9割が米国外にある。米国外にあると言っても、預金の大半はNYCの金融機関にあると思われ、海外子会社がNYCに非居住者口座を持っているようなイメージだろう。EYの監査クライアントなので公けの情報のみを基に話しておくけど、2,500億ドルと言えば100円換算でも25兆円だ。WJSによるとこの金額は英国とカナダの外貨準備高の合計より、またWalmartのマーケットキャップより大きいというから凄まじい。この現金をどのように戦略的に使うべきかに関しては外部からいろんなコメントがあるけど、歴史的にアップルは余り大きなM&Aをしていない。Netflixを買収するべきという話しもあるし、いやテスラでしょう、という話しもある。ただ、これだけの現金があるとNetflixとテスラの双方を同時に買収してもまだお釣りがくるそうだ。その昔は破産の危機に瀕していたこともあるのにやっぱり元祖iPhoneをこの世に送り出してくれたSteve Jobsの才能は凄まじい。

で、Unified FrameworkではThe BlueprintやCamp案でもそうだったように制度移行時点で累積されている配当原資、すなわち米国基準で算定するE&Pに対して2つの低税率で課税するとしている。The Blueprintでは現預金に対して8.75%、事業資産に再投資されている部分は3.5%としていたが、Unified Frameworkは税率を明記していない。トランプ大統領は一律10%としていた。歳入がどれだけ必要かにより税率を決めるつもりなんだろうけど、どの時点で現金と他の資産を区別するのか、とか結構複雑なことになるような気がする。5%も税率が異なるんだったら当然急に現預金を事業資産に投資してバランスシートを操作するプラニングが横行しそうだけど、そんなプラニング防止のため9月27日とか法律が最終化する以前の日の資産状況を基に対象税率を決定したいという話しもあるようだ。ただ、現実問題として期末以外のタイミングで正確なバランスシートなど存在しないことが多く、変な日にちが設定されると面倒なことになりそうだ。余りに複雑になるようだと結局単一レートという可能性も無くはないだろう。

制度移行時点で累積されている配当原資に一括課税というとシンプルに聞こえるかもしれないけど、現実にはテクニカルな検討事項が結構多い。世界中の子会社を別々に見るのか、マイナスとプラスのE&Pを相殺させてくれるのか、とかいろんなアプローチがあり得る。一括課税をテクニカルにどう位置付けるのかも不明だけど、新たなSubpart Fカテゴリーを規定して留保金課税するのが自然な感じ。どのような課税方法が採択されるにしても現時点で米国多国籍企業が最も注力しているのがこの一括課税をどう最小限に食い止めるかという点だろう。

ちなみに10%投資先からの配当も100%非課税となるからには当然一括課税の対象にもなる。10%しか持っていない投資先の米国算定基準のE&Pなんか分からないケースもあるだろうし、配当性向に関して決定権を持たない投資家が配当原資全額に課税されてしまうのもチョッと気の毒なケースもありそう。

税率がどれだけ低く設定されたとしても埋蔵金が巨額なだけに、一括課税から上がる税収は大きい。となると支払う方は大変で、しかもみなし配当課税だから、本当に海外で再投資されているケースでは親会社に十分な納税原資がないこともあるだろう。The Blueprintでは8年間の割賦納付が規定されていたが、Unified Frameworkでも複数年掛けての納付を認めるとしている。ただ、それが何年なのかは明記されていない。

テリトリアル化で心配されるのは米国多国籍企業によるBase Erosion。一度、海外子会社に所得が移転されてしまうと米国としては2度と課税するチャンスがないからだ。同様の懸念が2009年に日本がテリトリアル化した際にも存在したが、プラニングに対する熱意が異なる米国企業相手となるとこの懸念はRealだし確かにいろいろなプラニングを実行してくるだろう。その対策にかかわるUnified Frameworkのコメントに関しては次回。

Tuesday, October 10, 2017

米国税法改正大綱 「Unified Framework」(4)

前回は米国税法改正大綱とも言える「Unified Framework」の法人税および事業所得に対する課税について、特に設備投資減税と支払利息の損金算入制限に関して触れた。今回は税率低減の引き換えとなる課税ベース拡大の一環でThe Blueprint時代から撤廃が予想されていたクレジット、特殊控除に対するUnified Frameworkのアプローチを中心に見てみたい。

まずUnified Frameworkでは2つの恩典を明確に残すとしている。ひとつは以前から聖域化していて税法改正がどのような方向になろうと存続がほぼ確約されている「R&Dクレジット」。Patent BoxやInnovation Boxを導入していない米国において、自国の試験開発を税法面から後押しする切り札だ。Patent BoxはNexus云々が欠けていたり、下手をすると条件次第ではOECD BEPSの世界では悪しき慣行のレッテルを貼られてしまい、R&Dクレジットがより好ましい税法とされているが、BEPSに同調する気配が一向にない米国においてこの部分は「期せずして」BEPS Action 5に準拠しているような形になっている(苦笑)。

R&Dクレジットは日本企業の米国子会社も頻繁に利用しているけど、もうひとつ存続が約束されているLow-Income Housing Tax Creditは日本企業には余り馴染みのない規定だ。このLow-Income Housing Tax Credit、略してLIHTC、「ライテック」とか何となく冷蔵庫メーカーみたいな名称で呼ばれていて、大手会計事務所では専門チームが居たりするけど、基本的には低所得層向け住宅供給のために設立された連邦政府の補助金制度のようなものだ。

税法の簡素化および課税ベース拡大の見地から、他の恩典は基本的に撤廃または見直しということなんだけど、The Blueprint時代から目の敵にされていて撤廃が明言されているのが国内製造控除、Section 199だ。Section 199は、古くはGAAT、近年ではWTOを舞台に揉め続けたFSCとかETRとかが結局撤廃になった際、輸出補助に代わる米国製造業回帰策の切り札として登場してきた経緯を持つ。米国で一定の製造活動に従事しているとそこから創出される課税所得の9%が非課税となるというもので、形式的には費用控除だけど、実質そのメカニズムは税額控除に近い制度だ。

Unified Frameworkでは法人税および事業所得に対する税率が過去80年で最低になり、OECD諸国と遜色なくなることから、米国での製造活動に対する税務上の不合理は解消され、製造者控除の役割は終わったとしている。また、他の諸々の恩典に関しても撤廃または限定するとしているが、Section 199以外に関しては何となくはっきりしない。

また特定セクターだけに規定される特別な恩典に関しては近代化して今日の経済実態により即したものにするとしている。う~ん、何か官僚の答弁とか禅問答を聞いているみたいで何をしたいのか良く分からない。政治的に撤廃できないものは残すってことなんだろうか。セクターに対する特殊恩典としては資源とか再生可能エネルギーにかかわるものが多い。米国のエネジーポリシー、環境ポリシーが新政権下で大きく変化しているので、この辺りの恩典見直しがどう導入されるか興味深い。

法人税および事業所得に対するUnified Frameworkのアプローチはだいたいこんなもんだけど、一点最後に法人税ストラクチャーにかかわる記載に意味不明の一文が挿入されている点に触れたい。

「今後、議会は法人の二重課税負担軽減法を検討するかもしれない」という一文だ。いかにも取って付けたような不自然な一文で、最初読んだ際には内国法人間での配当を全額まはた70%、80%非課税としている現状のDRDを拡充でもさせるつもりで書いたのかな、位にしか読んでなかった。でも、どうもしっくり来なかった。で、良く考えてみてㇷと気付いたのが、今回のUnified FrameworkのUnifiedと言うのは当然上院の財政委員会がBig 6の一角に入っているけど、財政委員会が過去から提唱しているのが「Corporate Integration」という法人課税法だったという点だ。このCorporate Integrationというのは財政委員会、特にその議長のOrrin Hatchが今でもあきらめずに提唱しているもので、個人を含む株主が受け取る配当に課税されて法人レベル課税と合わせて二重課税となる問題を、配当を法人に損金算入させることで解決しようとするものだ。法人側でDPD(Dividend Paid Deduction)を計上させるという仕組み。

それであの一文の謎が解けたような気がした。すなわち、Unified Frameworkでは常に一家言ありの上院の意思を尊重するためにあのような文を挿入したものと個人的には考えている。実際には「may consider…」程度の話しで現実にCorporate Integrationが法律となることはないに近いと思うんだけど、上院はThe Blueprintの頃からしきりと「下院の法案をそのまま採択するようなことはしない」とその存在感をアピールし続けたため、この一文を拠り所に独自の法原案を出したりしてくるかも。そうなると下院、上院のすり合わせに時間が掛かり今年中の法制化は、今でも夢のような話しだけど、もっと夢になるという悪夢となり兼ねない。

ということで法人税および事業所得の課税の話しはこの辺にして、次回は米国多国籍企業に大きなインパクトを持つテリトリアル課税について。

Wednesday, October 4, 2017

385条財務省規則ついに実質廃案

夏からオバマ政権末期に公表された悪しき規則のひとつとして、新政権が見直しを表明していた385条「Debt/Equity Classification(俗称「過少資本税制」)」最終規則が実質廃案に近い形で処理されることが発表された。トランプ政権による規制緩和の一環で財務省は今日、大統領令13789を発表し、規則の骨子を構成する2つの規定、すなわち文書化規定、Funding規定の双方とも行政府の行き過ぎた規則とし、次のような改定を約束している。

まず、文書化規定。こちらは既に発効が1年延期され2019年1月1日となり、その存続は風前の灯化していたが、今回の大統領令で遂に正式に廃案となった。正確に言うと既存の文書化規定は廃案とする代わりに、より簡素化された新規則に置き換えるとしている。特に評判の悪かった、買掛金とかの日常業務で発生する負債に対する文書化の必要性有無に関しては一から見直すとしている。本当のローンであれば文書化はあってしかるべきだと思われるが、これらのWorking Capital的なやり取りまで文書化というのはやはり負荷が高いので改正はありがたい。

また、もう一つ皆が悩んでいた「合理的な返済可能性」にかかわる文書化要件にも大幅な見直しを加えるとしている。さらに現存の規則がかなり焦って旧政権末期に滑り込み的に策定され混乱を生じさせていたことから、新規則は公表の段階で納税者に十分な準備期間を設けるとしている。

385条最終規則の2つ目の規定となり、また現時点で既に法的効力を持っている「Funding規定」に関しては、余りに行き過ぎた規定だったとし、ただし議会が現在着手している米国税法改正の一環で規定そのものが不必要となることが予想されるとしている。なので、敢えてここで変な改訂をすると不必要な混乱を招く危惧があり、現時点での改訂は敢えて控えるそうだ。ただ、税法改正は決まったわけではないので、万一議会による税法改正でFunding規定の重荷が解消されないと判断される場合には、その時点で最終規則の改訂を検討するということ。

昨年から騒がせてくれた385条も政権交代、税法改正の流れであっけない幕引きとなりそうだ。

Saturday, September 30, 2017

米国税法改正大綱 「Unified Framework」(3)

前回はは米国税法改正大綱とも言える「Unified Framework」の全体のテーマ、現状35%から20%と劇的に低減される法人税率、そして個人オーナーに配賦されるパススルー所得25%特別税率を中心に触れた。今回も引き続き法人税および事業所得に対する課税について、特に設備投資減税と支払利息の損金算入制限に関して触れてみたい。

前回触れた法人税率20%だけど、これは先進国平均22.5%よりも低く設定され、米国の投資先としての魅力を高めるとしている。実際には連邦法人税と並び米国には州税があり、配賦比率とか個々のケースで大きく異なるとしても州税の実効税率はザックリ5%程度に終焉することが多く、連邦・州合計では税率は25%程度になるケースが多い。ちょうど、日本でタックスヘイブン税制が見直されているタイミングなので、日本企業の米国子会社各社の実効税率が税法改正後、何%になるのか親会社側としては気になるところだろう。

法人税率低減は民主党は取りあえず反対を表明しているが、経済界は当然大歓迎で、中でもオバマケア廃案議論または今日に至るまでの税法改正議論の過程で発言権および影響力を強めてきたFreedom CaucusやKoch Industriesのサポートは特筆に値する。ただ、企業にとっていいこと尽くしかと言うとそうでもないケースもあり、米国連邦税に関して繰延税資産を計上しているケースでは資産が, 改正と同時にある日急に4割強も目減りしてしまう。そんな状況に晒されている事業体は課税所得の前倒しとか改正前9回裏ギリギリのプラニング検討がMustだろう。

代替ミニマム税(AMT)の撤廃だが、面白いことに個人所得税に関しては撤廃と言い切っているのに対し、法人税に関しては撤廃を目指す(「Aimする」)と少し腰が引けた感じで記載されている。Big 6内で完全にUnifiedできなかったか、財源のことを心配して逃げ道を残しているのか不明だけど、いずれにしてもこの際一気に撤廃してもらいたいものだ。

次に注目度の高い設備投資減税だけど、The Blueprintでは有形、無形を問わず事業資産は土地を除き全て取得時に費用化という提唱だった。The Blueprintによるこの大胆な提案は設備投資減税の側面も当然あるものの、課税所得の算定を完全にCash Flowベース化し、かつ一部で評判の悪かった例のBorder Adjustment、すなわち消費地課税と組み合わせることで法人税を限りなく消費税やVATに近づけるという意味が大きかった。消費地課税の方はUnifiedできずに廃案としておきながら、納税者に受けのいい設備投資減税の部分は残している点、税法改正はテクニカルな世界では一切なくあくまでもポリティクスにより事が動いていくことが良く分かる。

Unified Frameworkに対する第一印象のところで触れたけど、Frameworkは法の発効日とか施行日には一切触れていないにもかかわらず、設備投資減税に関しては2017年9月27日(Framework発表の日)以降に適用と細かく規定し、さらに当措置は少なくとも5年は継続するともわざわざ記載して時限立法っぽい方向を示唆している。これはおそらく設備投資の100%費用化はあくまでタイミング差異の話しなので、経済浮揚効果を最大限化するには、一日も早く投資を始めてもらい、しかも時間制限を設けることで、比較的早期5年以内に先行投資させる意図であろう。

対象となる資産は建物を除く償却資産(Depreciable Assets)とされている。正確に何を意図しているのか分かり難い。税務上は「Depreciable」という際、「Amortizable」の資産も含まれると解釈される局面もあり、有形資産のことだけを意味しているのか、それともSection 197償却対象となる無形資産をも含む意図があるのか文面からは必ずしも明確ではない。ただ、「New Investment」と言及されていることから、最初に読んだ際の印象としては建物を除く有形の動産を対象としているように見え、無形資産はテクニカルにはDepreciable Assetsでかつ動産ではあるけれど、Goodwillとか通常は他者が創造したものを取得することで簿価が発生することから新規投資とは言えず、Frameworkの意図する対象ではないように思えた。今後、法原文の作成過程でより明らかとなっていくだろう。

Frameworkによるこの設備投資減税はスコープ、対象期間共に前代未聞のスケールであり、税法をドラフトする議会は更なる強化を試み、「中小企業」の後押し努力を惜しまないと自画自賛している。なぜ設備投資減税が大企業と比べて中小企業により大きな助けとなるのか良く分からないけど。

次に激しいロビー活動の矛先が向けられていた支払利息の損金算入の動向。The Blueprintでは事業体、個人を問わず事業目的の支払利息の損金算入は全面撤廃とされていた。これは法人税のVAT化に準じてある意味当然の方向ではあったかもしれない。一方Frameworkではこの点に関して何とも歯切れが悪く、C Corporationによる支払利息は一部損金算入を制限するとのみ記載している。例えば金融機関なんかもC Corporationのケースがほとんどだと思うけど、金融業で支払利息の損金算入が制限されてはビジネスが成り立たないんじゃないか、とも思え、結局はいろいろな例外が規定されることになるのだろう。また、グループ金融会社も同様だが、銀行ライセンスを持っていないグループ会社は銀行と比べると例外対象となる確率は低いようにも思われる。Capital Structureの大幅変更を強いられるケースも予想され、十分な導入期間の設定が期待されるところだ。制限が条文化されると例のDebt/Equity Classification(俗に言う過少資本)を規定したSection 385の膨大な規則も用無しとなり、自然消滅の憂き目にあう可能性もある。また、一般企業が金融機関から受ける融資に対して支払う利子の損金算入に制限が加えられることになると、ファイナンス法としての魅力が低下することとなり、今後この規定を巡っては銀行が猛反対してくるだろう。

C corporationによる支払利息の損金算入制限だけど、具体的にどのような方法で制限してくるんだろうか。トランプ大統領案では元々、設備投資の一括費用化と支払利息の損金算入が選択制だったが、今回の「制限」というのは、設備投資の一括費用化メリットを取る際に適用されるような仕組みになるのだろうか?設備投資減税が選択制という書き方ではないのでこの方向はないように思える。もう少しあり得そうな方向は、一定のDebt/Equityレシオを超える負債に対する支払利息の損金不算入とか、例えばAFR、またはAFRの120%までとかIRSが指定する利率を超える部分を損金不算入にするとか、だろう。

C Corporationに対する扱いも曖昧だけど、それ以外の事業主による支払利息の損金算入可能性に関しては更にオープンエンドだ。FrameworkではC Corporation以外の事業に関しては議会が適切なアプローチを検討するとだけしている。どのような制限が規定されるにしてもロビー活動をさかんにしていた農業、Frameworkが繰り返しサポートを強調している中小企業は制限免除の可能性もある。

今回はこの辺で、次はR&Dその他クレジット等に関して。

Friday, September 29, 2017

米国税法改正大綱 「Unified Framework」(2)

9月27日に公表された米国税法改正大綱とも言える「Unified Framework」。前回はその第一印象を中心に書いたけど、今回は全体のテーマと驚くべき低税率となる法人税および事業所得に対する課税について触れてみたい。

まずUnified Frameworkでは冒頭に大統領が目指す4つの原則が列挙されている。これは4月の大統領府による発表と同じようなテーマ設定だけど、1) 税法の簡素化、2) 勤労所得者の手取り給与の増額、3) 他国と同じ土俵で米国企業、個人が活躍できる経済環境作り、4) 海外に眠る巨額埋蔵金の米国還流促進、となる。そしてこれらのテーマは両院で税法原案作成の任を負う下院歳入委員会および上院財務委員会も共有しているとのこと。

このテーマの下、Unified Frameworkでは21世紀に相応しく、財政責任を持つ税法改正を提唱するとし、1)ミドルクラス減税、2) 大多数の米国市民がポストカード一枚で申告手続きが終わる税法簡素化、3) 事業、特に中小企業減税、4)労働、資本、所得の海外移転インセンティブ排除、5) 多くの各種恩典の排除による課税ベース拡大、の5つを目標として特定している。財政責任と明言しているけど、前回書いた通り減税に見合う歳入の議論はUnified Frameworkではされていないのでチョッと口だけな感じも否めない。後、ポストカードは実現したらうれしい。僕も自分の申告書を作成するけど、プリントするといろんなStatementとか付くので連邦税だけでも1.5センチくらいの厚さになるから相当な簡素化だ。

Unified Frameworkは今後の法律原案作成のテンプレートとなるが、委員会は必要に応じて更なる改正を盛り込んでFrameworkの目標を達成するようにと命じている。

ここでUnified Framework原文では個人所得税減税の説明に入るが、そこは次回触れるとして、今日はその次に論じられている法人税および事業課税に触れてみたい。

まず、冒頭に宣言されているミドルクラス減税の部分を前面に打ち出すため、法人税率より先に中小企業に対する減税が披露される。内容は簡単でスケジュールCで申告される個人事業所得、S Corporationおよびパートナーシップからの所得は一律25%で課税しますというものだ。これは個人オーナーに配賦されるパートナーシップ所得の話しで日本企業が他企業とJV等を実行する際に組成するLLC等のパススルー主体からの所得は含まれない。そのような法人が受け取るパススルー所得は後述の法人税20%で課税されることになる。

このパススルーに25%という部分はThe Blueprintそのものだ。4月の大統領府による発表ではここも15%と説明されていた。

で、The Blueprintの頃から燻っている不明点だけど、今回のUnified Frameworkでも25%税率の対象となるパススルーは「Small and Family Owned」と記載されている。ここはかなり重要ポイントだけど正確な意味は不明だ。すなわち、今までの大統領府、特にPrivate Jetに乗り過ぎのMnuchin財務長官とかの話を聞くと、彼らの頭では個人に所有されるパススルーはイコール中小事業だろうという先入観があるように思える節があり、25%税率適用判断の際に一定の売上とか、パートナーの頭数等の規模的な制限が規定されることとなるのか、それとも基本的にパススルーには全て25%規定が適用されるが、The BlueprintやUnified Framework、また大統領府の4月の発表でも懸念が表明されている通り、実際には給与所得に当たるパススルー所得を事業所得と仮装して本来は35%とかの個人所得税率の対象となる部分に25%が適用されないようなAnti-Abuse規定を設けるだけなのか、今ひとつ不明だ。

この点はThe Blueprintに関して詳解した頃、「米国タックス行く年・来る年(10)下院改正案「A Better Way(The Blueprint)」」にも記載しているので、そちらも参照して欲しいけど、このAnti-Abuse規定を法律化するのは大きなチャレンジだろう。何が合理的な給与水準かという算定はValuationという事実認定の問題となり、パススルーやオーナーが一万通りあれば、適正な給与水準も一万通り存在することとなる。これを個々のケースのFacts and Circumstancesで決めていては数多くの訴訟、係争に発展することは間違いない。となると、安全ガイドラインみたいなものを設けて70%はみなし給与とかするのだろうか。その場合、実際にLLCから勤労所得という形で給与も受け取っているオーナーに対してはどのように対応するのだろうか。パススルー所得は一律25%課税にしてあげます、というのは言うのは簡単だけど、実際に法律として運用するのはとても難しいと思われ、今後の法律原案でどのように扱われることになるか大変興味深い。この規定に代表されるようにUnified Frameworkでは税法を簡素化するって言ってるけど、Frameworkそのものはかなりハイレベル、すなわち大枠の議論で終わっているため、以前のThe Blueprint同様「the devil is in the detail」という感じは否定できず、結果として以前にも増して複雑な税法になってしまうリスクがあちこちに隠れている。

で、次に法人税率。ナンと本気で20%にするとしている。ご存知の通り、トランプ大統領は15%と言い続けてきたけど、Unified Frameworkでさすがに「Unified」して観念したのか、翌日のインタビューでは「20%はパーフェクトな税率でこれ以外にあり得ない!」と言い切っていた。「いよっ、大統領!」という感じの言い切りだったけど、つい一週間ほど前まで15%を主張し続けていた点に関しては「俺が言い続けてた15%っていうのは余りに低すぎてチョッと歳入不足なんだな。だけど俺は15%にしたいと言い続けてそのお陰で20%っていう数字に落ち着いたんだ。で20%っていうのが俺のナンバーで、この20%にこれ以上交渉の余地はないし、俺は交渉しない。なぜかと言えば20%が俺が目指してた数字だからだ」って僕の訳が悪くて意味分かんないと思うかもしれないけど、原文英語でもまさしくこの通りに言ってて意味分からな過ぎだった。まあ、要は15%って敢えて低いところから始めて20%で妥協したように見せてるけど、実際には15%っていうのは単なるGambit、すなわち序盤の先手であり、作戦通りというか計算通りにみんな引っかかって20%になったということなんだろう。

で、20%としか記載されていないんだけど、Flat Rateなんだろうか。現状では15%、25%、34%、35%となっていて、途中、低税率ブラケットの恩典を消去するためのSurtaxとかもあり、部分的に39%で計算したりする帯域もあるんだけど、さすがに今15%で法人税払っている法人が今後は20%となることはないような気もして、となると15%と20%の税率区分になるのだろうか?別にそれでもいいけど、15と20しかない累進税率って何か感覚的に妙だ。一層のこと、0%と20%にして、今まで15%だった法人は0%とかにしたら気前よくかつ分かり易い。

トランプ大統領の発言を訳すのに余計な(?)エネルギー費やしてしまったのでここからは次回。

Thursday, September 28, 2017

米国税法改正大綱 「Unified Framework」(1)

4月に大統領府がレターサイズ一枚、7月にはBig 6が今度はレターサイズ半ページで米国税法改正の原理原則というか方向性を大げさに発表をして以来、いくらなんでもそろそろ具体的な改正内容を発表しれくれないと2017年中の改正は不可能になるぞ、と国民の堪忍袋の緒が切れ掛かっていた、というかオバマケア廃案失敗で共和党主導の議会の無力ぶりに有権者の怒りが頂点に達していた、このタイミングでようやく大統領府および両院の共和党幹部により米国税法改正の大綱とも言える「Framework」なる発表が行われた。

ここまで待たせたからには相当中身の濃いものになっているんだろうな、と数週間前から様々な憶測があったが、発表日の9月27日が近づくにつれ今回も「ハイレベル」な原則っぽいものに留まると噂され始め、え~いつまでやってんのって感じだったけど、逆に怖いもの見たさに似た不思議な感覚で実際の発表内容が注目されていた。

そんな中、予定通り9月27日に発表された大綱は9ページ!う~ん。ボリューム的には大統領府による4月の発表会の配賦物の9倍。Big 6による7月の発表の18倍の紙面を割いた力作(?)と言える。で、肝心の内容はと言うと大統領府の発表との比較でとても9倍とは言えず、せいぜい2.5倍くらいの感じ。

まあ、とは言え、1986年以来の大規模な税法改正に向けてようやく重い腰が上がり一歩(まだ残り99歩未踏?)を踏み出した観はある。まさに「Let me kick it like it's 1986!」。この歌詞、ここ1カ月くらいやたらNYCでもL.A.でもFMでヘビーにプレーされる「Feel It Sill」からだけど、この部分の歌詞聞く度に税法改正を思い出していた。この曲聞いて税法改正を連想するようなオタクな人は世界広しと言えども僕以外に存在しないのは間違いない。Portugal The Manによるオリジナルもノリが良くていいけど、MedassinによるRemixバージョンもAmbientでなかなかGood。オリジナルはLA.、RemixはNYCって感じかもね。

さて、一歩踏み出したのは評価できるとして、でもちょっと遅すぎた観は否めない。2017年内に法制化を目指す点は共和党幹部的には未だブレていないようだけど、その無謀な根性は評価に値いするとしても、後3カ月強の月日を残すのみだけという点を見てもそのアグレッシブさが伝わるけど、実際に議会の開会日数は40日を切っているというと無謀ぶりがもっと伝わるだろう。そんな短期でこんな大それた改正が本当に法律になるのだろうか。法律案の原案作成すらこれからだし、その後の審査、両院での審議、すり合わせ、成立と先は長い。

今回から数回に亘りUnified Frameworkに記載されている改正の方向性の詳細を見ていきたい。まずこの大綱のタイトルだけど正式には「Unified Framework for Fixing our Broken Tax Code」。Unifiedというのは下院、上院、大統領府というステークホルダーから既にコンセンサスを得ているという意味。逆に言えば、曖昧に表現されている部分、または敢えて避けて通っている部分は未だにコンセンサスに至っていないという厳しい現実を露呈しているとも言える。

Unified Frameworkの表紙はどことなく昨年発表された「The Blueprint」を思わせる。今回のUnified FrameworkをPaul Ryanが手に持って嬉しそうに公表している姿を見ていると、一年強前にThe Blueprintを公表していた姿がダブる。Paul Ryanもオバマケア廃案失敗等でどことなくチョッとやつれた感じ。

一年前はBlueprintだったけど今回は「Framework」。どちらも方向を示すもので詳細な法律ではない。Blueprintって用語はもう使えないだろうから代替の用語選択としてはまあいいチョイスだと思う。でも、それに続く「Fixing our Broken Tax Code」っていうのはなかなか毒々しい。本当だから仕方ないかもね。。

「Unified」の部分は今回の立法プロセスのキーとなるアプローチ。オバマケア廃案の最初の下院案が根回しなく公表され、結局廃案に追い込まれるという苦い経験があるだけに下院が法原案を作成する前段階で前広に大枠は合意しておくというアプローチだ。オバマケア廃案の試みはご存知の通りその後も混迷を極めまくり、ついに2017年の予算調整案に基く廃案期限の9月30日までに法案が通らないという選挙公約違反状態に陥っている。2018年の予算調整案に税法改正と並んで再度盛り込むという敗者復活的なうわさもあるにはあるけど何回やっても共和党が一枚岩になれなけば難しい。John McCain、Rand Paul、Lisa Murkowskiの3共和党上院議員は共和党の党是的には決して許されない憲法違反に近い大きな連邦政府、大増税を実現したオバマケアを部分的にでもリバースする機会を潰した功労者として歴史に残るだろう。この3人はNancy PelosiやChuck Schumerとかの民主党幹部の誰よりもオバマケア存続のために大活躍したことになる。John McCainはトランプが嫌いという理由だけでも絶対に賛成票は投じないにしても、先のSkinny廃案には賛成していたRand Paulは一体どうしてしまったんだろうか。このRand Paul先生こそ、日米租税条約の改定議定書が未だに批准されない理由の張本人だ。いろんなところで大活躍してくれている。

で、Unified Frameworkの話しに戻るけど、まず第一印象としては歳入部分の詳細が不明でブラックホール的なイメージ。これだけの減税をどうやってFinanceするのかという点に関して一部の控除を撤廃するという以外は敢えて無視しているのかな、と思えるほど触れられていない。The BlueprintではBorder Adjustmentとか金利の損金不算入とか一応財源が手当されていたので、今回は対照的だ。ここをどう読むかだけど、共和党幹部に何のアイディアもないと読むか、実は手当の目途は付いているけど、今公表すると損を被る業界団体等から猛反発を受け、ロビー活動で動きが取れなくなるシナリオを避けるため、敢えて奇襲攻撃で行くつもりと読むべきか。おそらく後者だろう、というか後者であると願いたい。

ただ、歳入原資は結構な重要ポイントだけに、その点を不明なままにしているFrameworkを早速今朝の専門誌とかでは「Nowhere Plan」とか揶揄している。Nowhere Planとか言われると、どうしてもThe BeatlesのRubber Soulに入っているNowhere Manを思い出す。武道館の東京公演でもライブで演奏したJohn Lennonの名曲だ。John Lennonと言えば、ついこの前Paul McCartneyをMadison Square Gardenで見た際、Set Listの結構な部分をThe Beatlesの曲の中でもどちらかと言うとJohn Lennon系の曲が占めていたのが意外かつ印象的だった。数年前にL.A.のStaples Centerで見た際はThe Beatlesの曲でも当然McCartney自作の曲がほとんどだったけど。今回はOpeningのA Hard Day’s NightもどちらかというとJohn Lennon系の曲だし、まあこの当時はまだ本当にLennon/McCartney共作のエレメントもあったかもしれないけど、以前は同じSGT PepperからでもGetting Betterとかやってたのに、今回はBeing for the Benefit of Mr. Kiteと言うおよそJohn Lennon以外がプレーすること自体が想像し難い曲を取り入れていた。A Day in the Lifeもそうだ。まあA Day in the Lifeは曲の真ん中のブリッジ部分はどう聞いてもPaul McCartneyが作った部分をくっつけているので半分は自作と言えるかもね。

で、何の話しだったかと言うとUnified Frameworkに歳入原資の話しが欠落しているというところだった。もう一つ興味深いのは税法改正の発効のタイミング、施行日に触れられていない点だ。その一方で、後述する設備投資減税に関しては「2017年9月27日以降に事業用途に供された動産」と異様に詳しくタイミングを規定してみたり、となかなか面白い。法人税とかは2018年1月またはそれ以降に開始する課税年度から適用というのが順当だろうけど、個人所得税とかは2017年1月に過去訴求とかないんだろうか。

と、いろんな意味で面白い発表だけど、次回から法人税・事業課税、クロスボーダー、個人所得税・遺産税、今後の手続き、等もう少し詳細に見ていきたい。